一方で転職した当初は、東京を離れて働くことに少なからず不本意な気持ちを持っていたのも事実です。その考えを覆す大きな転機となったのは東日本大震災。「すぐ隣に困っている人がいる。この人たちのために何ができるか」と、地域紙の果たす役割や自分の使命について強く認識するようになりました。立教のシンボルマークには「ProDeo et Patoria(神と国のために)」とあります。「Pator ia 」が指す「国」とは「自分の暮らす社会、ふるさと」のこと。隣人と助けあい、共に生きる大切さを説いた一節です。在学中は意識していませんでしたが、いま私の胸中にはしっかりこの教えが息づいていると感じます。